2030年の北海道新幹線の開業に向けて、札幌駅のどこにホームを作るか、ということが焦点になっています。
たくさんの案が検討されては、断念され、模索が続いています。
その変遷について書き記しています。
目次
北海道新幹線の札幌駅ホーム位置問題 (2017.3)
東側案断念
2030年度の北海道新幹線延伸に向けた札幌駅のホーム位置問題で、「東側案」を主張していたJR北海道が同案を撤回する方針を固めたことが14日、分かった。
建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が推す「現駅案」に比べ、大幅に工費がかさむため。関係機関との調整を始めており、月内にも現駅案で決着する見通しだ。
15年から迷走してきた問題が着地することで、駅周辺で計画中の複数の再開発案件も一気に加速する可能性がある。
北海道新聞
現在の札幌駅の東側にホームを新設するという案は撤回されてしまったようです。
駅の東側には大きい建物もないですし、新設できる土地もスペースもいっぱいあったと思うのですが、JRタワーや大丸の改修の関係で工費がかかるのが原因のようですね。
ほら、札幌駅の東側ってこんな感じなんですよ。駅近にも関わらず、ガラガラなんです。
これだったら新幹線の駅は東側に作るべき、だと思うんですけどね。
現駅案が有力
現駅案は工費の面からはメリットがあるようですが、在来線の本数は減らさなければならないようです。
新千歳空港の利用者増加に伴って快速エアポートの増発は喫緊の課題ではありますが、現駅に新幹線ホームを新設するとなれば、その実現も難しそうです。
北海道はすでに人口減少局面に入っているので、通勤通学でのJR利用者は減少の一途をたどるでしょう。
そこに新千歳空港の利用者がどれほど穴埋めしうるのか、ということも考慮にいれなければならないかもしれません。
もしかしたら新幹線が開通する2030年には、JRの利用者はかなり減っていて、在来線を増発する必要はまったくなかった、ということになるかもしれません。
地下案も検討されているようだ
上記のような状況も考慮して、新たに地下に新幹線用のホームを作るという案もあるようです。ちょうど上野駅のような感じになるんでしょうか。
この案は在来線を減らさなくて良いですが、費用の点からは新たにトンネルを採掘しなければならず、結構なお金がかかりそうです。
札幌駅の地下には地下街、その下には地下鉄南北線、さらにその下側には地下鉄東豊線が走っています。
新幹線用のホームを新設するとなると、おそらく地下4−5階に相当する場所にホームを作らなければならないのではないでしょうか。
いろいろと課題山積の新幹線ホーム問題ではありますが、なんとか計画を前にすすめてほしいものです。
JR北海道が地下案を断念 (2017.12)
北海道新幹線の札幌延伸を巡る札幌駅ホーム位置問題で、鉄道・運輸機構とJR北海道など4者が、検討中だった、地下にホームを建設する案を断念していたことが29日、分かった。
地上に造る他の2案に比べて割高になる工費について、有効な削減策が見つからなかったためという。
JR北海道が費用等の面から、北海道新幹線のホームを地下に作る計画を断念したと言うニュースが流れてきました。
記事によると、残った選択肢は現在の札幌駅に新幹線のホームを作るか、札幌駅の東側にホームを作るかと言うことのようです。
在来線のホームを新幹線ホームに転用するとなると、在来線の本数が限られてしまうということが懸念事項のようです。
また東側にホームを作るとなると、乗り換えの利便性が低減するのではないか、と言うことでした。
東側案だと本当に利便性が低下すると言えるのか
一方で新幹線の駅を東側に作ってしまうと利便性が低下すると言うのも、ちょっと大げさでもな気もします。
そもそも新大阪や新横浜などは、市の主要ターミナルである大阪駅や横浜駅とは新幹線の駅が大きく離れていますし、乗り換えの利便性と言う点では決して良くありません。
東京や上野駅だって路線によっては、新幹線のホームにたどり着くまでに300メートル以上歩くなければなりません。
そのように考えてみると、札幌駅の東側にホームをつくったとして、問題になる程利便性が低下するのかどうかは疑わしいところです。
現在の北5西1丁目は広大な青空駐車場になっていますし、創成川通りを挟んだ北郷町東1丁目も青空駐車場になっています。その土地を有効利用して新幹線のホームを作れば良いと思うのですが、だめなのでしょうか。
JR北海道が大東案を提案(2018.2)
2030年度に開業予定のJR札幌駅新幹線ホームの位置を巡り、JR北海道と鉄道建設・運輸施設整備支援機構、国、北海道、札幌市の5者は4日、東京都内で協議した。
この問題で国土交通省が協議に入るのは初めて。JR北は駅東側に設ける従来案よりもさらに東側にホームを設置する「大東案」を提案した。
JR北がこれまで検討してきた東側案は、新たに作るホームの一部が駅ビル「JRタワー」にかかり、耐震工事の費用がかかるのが課題だった。
JR北は従来案より数百メートル東側にずらした位置にホームを作る案であれば工費が抑えられるとみて、今後は大東案を軸に議論を進める。
日本経済新聞 2018.2.5
どうやら、創成川を跨ぐように、新幹線のホームを建設するという計画のようですね。
東側は上に書いた通り、今現在北5西1と、創成川を挟んだ北5東1は青空駐車場になっていますから、新たに何か建造するには最適ではないでしょうか。
日本の新幹線の主要駅、博多、新大阪、名古屋、品川、東京なんかは、在来線と新幹線のホームが同じ位置になるなんてことはないですから、在来線や地下鉄から、新幹線駅に歩いて移動できるだけも御の字と考えるべきでしょう。
新幹線札幌駅ホーム、迷走2年半ようやく決着へ
北海道新幹線の札幌駅ホーム位置問題で、札幌市が大東案にかじを切ったのは、秋元克広市長とJR北海道の島田修社長のトップ会談が契機となった。
どうやら、札幌駅の新幹線ホーム問題は、JR、札幌市、北海道のゆるやかな合意を得て、大東案に決定しそうということです。
ん〜迷走していましたが、ついに決定ということですね。場所は結局ダークホースだった大東案ということです。
大東案となると、これまでの西3-4丁目を街の中心としたイメージが、200-300mくらい東に移動することになりそうですね。
もしかしたら、この新幹線ホームと並行するように地下通路が設置されたり、または歩道橋のようなものが設置されるかもしれません。
ちょうど札幌駅前の中心部が、東側に伸びていく感じでしょうか。この傾向は止まることはないでしょう。
今は大丸に押され気味の東急百貨店も、周辺の再開発や新幹線ホームの決定によって、10年後くらいには息を吹き返すかもしれません。
北海道新幹線のホーム問題が決定し、いよいよ再開発がすすむことを期待したいものです。
北海道新幹線・札幌駅ホームついに正式決定(2018.3)
ついに、北海道新幹線・札幌駅ホームの位置が決着しました。2018年になって急浮上してきた、大東案に決着のようですね。
ちょうど北5西1から創成川、そして北5東1丁目に至るように新幹線ホームが設置されるとのことです。
今後10-20年間の中における再開発としては、周辺地域でのビル建設なども考えると札幌ではもちろん、全国的にもかなり大規模なものとなるでしょうから、札幌駅周辺がどのように変わってくるかは非常に楽しみですね。
また、今回の再開発が創成川の西と東の格差を無くし、より一体的に再開発されることを期待したいところです。
創成川を跨ぐ新幹線駅は、新大阪駅を彷彿とさせる!在来線のホームから跨線橋でアクセス可能だが、離れてる分、新幹線用の線路を長くする必要性が高いね!
そうですね。在来線は少し離れていますから、接続も含めていろいろと工夫は必要ですね。