目次
はじめに
この記事は、2011年4月にいまは廃止された「トワイライトエクスプレス」に乗車した際の記録です。
以前は別のブログにアップしておりましたが、今回ブログを引っ越すにあたって、体裁を整えました。
文章を読みながら当時のことを思い出しましたが、当時考えていたよりもモダンで、豪華な列車だったように思います。
札幌駅ホーム
4/28いよいよトワイライトに乗車します。
そもそもこの旅の目的は大型連休を利用した中国地方の旅行なのですが、関西方面に向かう列車としてトワイライトエクスプレスが偶然予約できましたのので、これに乗ってみる事にしました。
トワイライトエクスプレスは、札幌から大阪まで、おおよそ1500kmを22-23時間かかえて運行する、現在は日本最長の長距離寝台列車です。
この案内板を見るといよいよ大阪に行くんだな、という気持ちになります。
ちなみに14:05の出発ですがホームに入ってくるのは13:49になるようです。ホームを見ているとトワイライトに乗る列に並んでいる乗客がちらほら見られました。
13:49、定刻通り到着しました。今回乗車する部屋はB寝台ツインです。二人で安く旅をしたい、けれども個室が良いという場合にはこちらのタイプが良いでしょう。
荷物を置いて、すぐ車外に出て先頭車両まで行ってみます。札幌発の場合は、最先端(機関車のすぐ後ろ)にかの有名な展望スイートがあるのですが、14:00くらいには乗客がまだいなかったようです。
ちなみにトワイライトの中からは車窓を十分眺める事ができるのですが、外からだとマジックミラーとまではいかないまでも、覗き込まれないように各窓に何らかの加工が施してあるようです。
トワイライトは五稜郭まではDD51型の重連で運転されます。ここで写真撮影をしている方を何人か見かけました。トワイライトに乗車していると思われるコックさんまでもが写真撮影をしていました。
発車2分くらい前に列車に戻ると、ちょうど車掌がきっぷの確認に回っているところでした。その際に個室の鍵として使うカードキーが渡されます。
ちなみにこのカードは記念に持ち帰っても良いとのことでした。
車掌によるとこの列車は先ほどまで車両基地にいたために、暖房ががんがん効いており車内が非常に暖かく(というか暑く)なっているとのことでした。
確かに車掌は汗だくで、北海道にしては薄着の私もかなり汗ばんできていました。
温度の調節は車両全体でされること、個室ごとにも暖房のon、offくらいは調節できるそうです。
きっぷの確認、カードキーの使い方、二段ベットの下段のつくりかたなどの説明を受けた後、いよいよ列車は出発します。
札幌駅出発
車内探訪
札幌駅を出発したトワイライトエクスプレスは南千歳、苫小牧の順に停車していきます。
検札を済ませカードキーを手にしてからは、車内探検に出かけました。
B寝台前の通路です。通路はだいたいの車両において人がすれ違うのも困難なほど狭く、天井も低いです。客室の快適性を重視して設計されたのでしょう。
突き当たりに見えている自動販売機は車内の数カ所に設置してあり、価格も高くないので(500mlのお茶で160円)アルコール以外の飲料はあらかじめ余分に購入しておく必要はないでしょう。
こちらはサロンデュノール。乗客が自由に利用できるサロンでフランス語で「北のサロン」を意味するようです。
通路を挟んで座席が2列あり、どちらも日本海側を向いています。反対側は全く見れないか、ということはなくて体を横に向ければ噴火湾のすばらしい景色などを眺める事ができます。このサロンカーも外側からは見にくいように窓が加工されています。
サロンの名の通り、乗車中は多種多様な使われ方がなされていました。夕方には弁当を食べる家族連れ、夕方以降〜深夜にはアルコールを飲む夫婦、翌朝には任天堂DSをプレーする中高生などバラエティに富んでいました。
乗車中は込み合って席に座れないということもありませんでした。
こちらは空室だったB寝台ツインの写真です。
テーブルと座席が写っていますが、このテーブルは収納する事ができ、座席は寝台になります。
テーブルの上にはトワイライトエクスプレスの簡単な説明と、グッズや食事の紹介を載せたパンフレットが用意されています。
上段の寝台を撮りました。この寝台はボタン1つで上下し、いざ上段で眠る時には寝台を下げてはしごで登れるようにします。少し見にくいですが、1枚目の写真の左奥にははしごが収納されています。
入り口を撮りました。左にはカードキーを通す部分があります。ドアや仕切り1枚しかなくて隣の個室の音が聞こえてくるのではという不安もありましたが、列車の走行音と混じって隣の部屋の会話などは全く聞こえませんでした。
ちなみにシングルツインも覗いてみたのですが、ツインの部屋から何もないスペースをなくしたような部屋になっています。さすがにシングルツインを2人で使うとなると窮屈になるだろうと思いましたが、1人で使うなら十分な広さだと思います。
この時点では大型連休前日にも関わらず、個室にも結構な空室がありました。
おそらくはこれから停車する駅で乗車してくるのでしょう。
また乗客は主に年配の夫婦が中心で、たまに家族連れ、若いカップルなどが見かけられました。シングルの乗客がどれほどいたのかはわかりませんが、何人かはサロンで見かけました。
朝食を予約する
少し時間が経つと、朝食と夕食の案内がアナウンスされました。乗務員が各部屋まで来られるとのこと。
夕食は駅弁と決めていたので、明日の朝食だけ選ぶ事にしました。朝食は和食/洋食から選択できて、どちらも1575円です。私は和食を選択しました。
朝食の時間は7:30 or 8:20のいずれかを選択できました。この時点では料金は支払わず、朝食時にお会計となるようです。
上り列車では出発が昼食時間を過ぎているためダイナープレヤデスでのランチサービスがありません。その代わり南千歳を過ぎたあたりからティータイムとして食堂車の営業がはじまります。
たしかラストオーダーは17:30までだったと思います。わざわざここで食堂車に乗り込まなくとも、明日の朝乗り込む予定がありましたので、ここではスルーすることにしました。
ちなみに浴衣、スリッパでの食堂車の利用はご遠慮くださいとのことで、ある程度服装には気を使う必要があるようです。
苫小牧駅到着
15:00に苫小牧に到着しました。
シャワールームを予約する
トワイライトの場合、スイート、ロイヤル以外の個室、Bコンパートメントにはシャワールームがありません。従ってサロンデュノールと同じ車両(4号車)にある共用のシャワールームを使う事になります。
列車ではお湯が貴重でシャワーを使うのも有料のようで(310円)、しかもお湯が自由に使えるのは6分間です。スイート、ロイヤルは別途料金を支払う必要はありません。
シャワーを利用するにはシャワーカードというものを食堂車(ダイナープレヤデス)まで購入しに行く必要があります。
さてシャワールームは4号車に2室しかありませんので、利用者が殺到して混乱しないように30分刻み、早い者勝ちで好きな時間帯を選択できるようになっています。
私は15〜16時くらいにレストランカーに買い求めに行きましたが、予約されていたのは1人だけ。時間帯は選び放題でした。
ということで自宅にいる時と同じように22時-22時30分の時間帯で予約しました。
出発時には以外と空室も散見された個室(ツイン、シングルツイン)ですが、苫小牧を出たあたりでは7−8割は埋まっていた印象があります。
登別到着
15:30登別到着です。
登別を出発してしばらくすると、列車進行方向右手に山が見えてきます。
この辺りは昭和新山、有珠山などがみられるということで一応写真に撮ってみたのですが、このあたりは列車のアナウンスもなく写真の山の名前は分かりません。場所的にはオロフレ山になるんでしょうか。
またこの日は天気が曇りがちで遠方はかすんでいたので、はっきりと確認する事はできませんでした。
東室蘭 – 洞爺到着
登別を出て16分、15:46分に東室蘭に到着します。
次いで16:19分、洞爺に到着します。洞爺に到着した後は翌朝の新津まで乗客の乗降ができません。
さて、このトワイライトエクスプレスですが苫小牧を超えてからは太平洋沿岸を走り五稜郭まで向かいます。
ところがB寝台ツインの窓はすべて北側、日本海側に向いているため個室にこもっていては太平洋は見えません。したがってサロンに行ってみました。
上の3枚とも長万部を通過して噴火湾(太平洋側)を撮影したものです。
3枚目の写真を見て頂ければ分かるように、函館本線は海のすぐそばを走ります。
噴火湾沿いに五稜郭へ向かう
17:39分、いかめしで有名な森駅を通過したトワイライトエクスプレスは下り列車と違うルートで進んで行きます。
函館本線は森〜大沼〜七飯間で2つのルートがあり、時刻表などの路線図をみているとちょうど数字の8のようになっています。
トワイライトエクスプレスは上り列車では森ー大沼間は東側、大沼ー七飯間は西側を走ります。トワイライトエクスプレスfanによるとダイヤ上の都合と説明してありますが、wikipediaによるとトワイライトやはまなす、貨物列車などは勾配の緩い支線(砂原線)を経由して函館に向かうようです。
この函館本線砂原回りは駒ヶ岳をぐるっと回るルートをとっていますが、当日は曇っておりかつ日没を控えてどんよりとしていたために、駒ヶ岳の雄大な姿は拝めませんでした。
五稜郭到着から青森信号場へ
18:32分、五稜郭に到着します。トワイライトエクスプレスはここで進行方向を変え、青函トンネルへと向かいます。五稜郭では乗客の乗降はできません。
どうせならもう一駅先の函館まで行って、停車駅として乗客の乗降を行って機関車を付け替えれば良いと思うのですが、なにか事情があるのでしょうか。
青函トンネルに入る直前には、青函トンネルについての説明がアナウンスでなされます。
在来線のトンネルでは日本一長いトンネルであるとか、トンネル内の湿度は年中一定に保たれているとか、などの説明がなされます。ちなみにこの青函トンネルに敷設されているレールは継ぎ目がなく、青函トンネルを走っている時には列車特有の「ガタンゴトン」という音が聞かれませんでした。
青函トンネルは長いようで短く、トワイライトエクスプレスだと40分くらいで出てしまいます。
21:24分、青森信号場に停車します。
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