なぜスキーをしにオーストラリア人がやってくるのか。データからその理由を考える




北海道ではスキーシーズン真っ只中です。

ここ数年はオーストラリア人のスキーヤーがすごい勢いで増加中とのことですが、どうして彼らは遠く離れた日本までやってくるのでしょうか。

その理由を考えてみたいと思います。

ニセコの現状

いまや「日本で最も国際的なリゾート」といわれる北海道ニセコ。街は外国人で溢れ、看板や物価も完全に富裕層向けにシフトしている。

高級ホテルの建設ラッシュに沸く同地区は、地価の上昇でも3年連続国内トップを記録した。ところが、当然ウハウハだと思われた地元経済の実態は……?

現代ビジネス 2018.4.21

外国にまでこれほど多くのスキーヤーが出かけると言うのは、日本にしてみれば少し考えづらいことです。

たとえば北海道のニセコでは客の半分以上が外国人で、レストランやショップ、ホテルなどでも英語は問題なく通じます。日本語を話しているとむしろ肩身が狭いくらいです。

このウインターシーズンのニセコでひときわ大きな存在感を放っているのが、オーストラリア人です。

彼からしてみれば、北半球でもっとも本格的にスキーが楽しめ、かつアフタースキーも充実していて近い場所となると、北海道になるのは必然です。

彼らにしてみれば、フランスやイタリアのアルプスは日本と正反対、ちょうど日本人がブラジルに旅行に行くような感覚ですから、そうそう頻繁にいけるものではありません。

オーストラリア人のやっていることを、日本に置き換えてみると、夏休みの日本を飛び出してニュージーランドやオーストラリアにあるスキー場に行き、スキーをする。

しかもそのうちのスキー場の半分以上が日本人で占められ、ホテルやレストランなどでは日本語が問題なく通じると言う極めて日本化しているという状況でしょう。

オーストラリア人はスキー好きである

スキーブームが下火になったとは言え、オーストラリアの人口(3000万人)と日本の人口(1億3,000万人)を考えると、オーストラリア人は相当スキーが好きなんだと言うことだと思います。

もしくは日本人がパリの街並みを大好きだったり、ハワイの海が大好きだったりするように、それだけニセコに魅力があると言うことでしょうか。

なぜオーストラリア人の人々は日本に来るようになったのでしょうか。

日本とオーストラリアの積雪量の比較

よくある話の1つに、ニセコエリアのパウダースノーがすごいと言う話があります。オーストラリアにはパウダースノーは無いのでしょうか。ウィキペディアから少し探ってみることにしたいと思います。

上のグラフはウィキペディアに載っていたあるオーストラリアのスキー場の積雪量の水を示したものです(https://en.wikipedia.org/wiki/Skiing_in_Australia)。

オーストラリアではどうや標高1500m以上でしか現実的なスキー場の営業はできないそうで、ちょうど1500mのところの積雪量がグラフで示したところになります。

最大の平均積雪量は150-200cmといったところでしょうか。100cm以上積雪があるのはだいたい3ヶ月間くらいです。

一方でニセコエリアの積雪量を見てみると、最大の積雪量は200-300cm程度、そして100cm以上積雪がある期間はおおむね12月中旬から4月までと、おおよそ4ヶ月程度になっています。

そして重要なのは、このデータがニセコエリアの山麓であるということですね。もしオーストラリアと同じ条件でニセコの標高1500mとすると、積雪量はもっと多くなるでしょう。

つまりオーストラリアの標高1500mよりも、人間が暮らしているニセコエリアの山麓の方が積雪量が多く、積雪の期間も長いということになります。そう考えてみると、どちらが雪質が良いかということもすぐに想像がつきますね。

オーストラリアのリフト料金が高い!

さらにリフト料金ですが、オーストラリアのスキー場のリフト料金を見てみると、概ねどのスキー場も1day-pass = 1日券で10,000円となっています。単純に考えて日本の2倍といったところでしょうか。

物価的にはオーストラリアの方が高いと思われ、購買力という観点から考えると単純な比較はできませんが、オーストラリア人が日本でスキーをすれば同じ価格で2倍の時間楽しめるわけですから、これは安いですね。

トマムリゾート宿泊記 – スキー場からプールまで

2013年2月22日









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